この活動に先立ち、1999年1月に米国で「副腎白質ジストロフィーの治療法に関する国際会議」が開催されました。議長は、Kennedy Krieger InstituteのDr. Hugo W. Moserが務めています。日本からは、新潟大学 脳研究所 神経内科の小野寺先生が出席されました。この会議の模様は、ULF News Vol.16 No.1 Spring 1999 (オンラインでは参照不可) に掲載され、またその日本語訳がMLD Home Pageにて公開されています。
九州大 山田先生のノックアウト・マウスに対するロバスタチンの効果の発表。以前より、ALDノックアウト・マウスはALDのモデルとして完全ではないのでは? ということが言われていましたが (→ The Myelin Project / Progress in ALD Research, June 10, 1999)、結論としては極長鎖脂肪酸の蓄積は改善しないとされています。
ワークショップ 「副腎白質ジストロフィー症の骨髄移植の臨床的効果」
■ Session I - リソソーム病の骨髄移植
ムコ多糖症(主にHunter症候群)やGM1ガングリオシドーシスの骨髄移植の臨床的効果についての発表があったようです。これらからも、国内ではムコ多糖症、ALD以外の神経症状を伴うような先天性代謝異常症の骨髄移植はあまり実施されていないことが想像されます。
■ Session II - ALDの骨髄移植
ALDの骨髄移植の臨床的効果についての発表があったようです。抄録では、国内の施設で行われた総計18例が掲載されていますが、移植時期(発症前・発症後・発症からの期間)、症状、前処置方法、ドナー(血縁・非血縁)、HLA一致度、移植細胞(骨髄・臍帯血)、GVHD予防方法、GVHD発生、合併症など個人の状況が様々であることがわかります。
■ Session III - 124例のALD患者に対する骨髄移植の効果解析
Univ. of MinnesotaのDr. Charles Petersによる、世界中で実施された骨髄移植による効果解析の発表です。Peters先生は、同じミネソタ大のKrivit教授と共に、代謝異常症の骨髄移植による治療をリードしてきた方です。過去18年間に124ケース、そのうち30例がミネソタ大で行われており、これらを年齢や症状、IQ、MRI所見等々により分析しています。
前述の多施設国際共同治験および厚生省研究班の活動の一環として、平成12年度には日本でもロバスタチンの臨床治験が実施される予定になっています。ロバスタチンは米国などで使われている高コレステロールの医薬品ですが、最近中枢神経に対する効果が確認されてきています。Dr. Inderjit Singhが1998年 The New England Journal of Medicineに発表した記事では、AMN患者などにおいて極長鎖脂肪酸のレベルを低下する効果があったとされています。ペルオキシソームにおいて極長鎖脂肪酸の分解を助け、また抗炎症作用もあることがわかっています。(ALDの治療のページを参照)
臨床治験については、まだ具体的なところまでは発表できる段階ではないそうですが、新潟大 小野寺先生からは今後詳細が明らかになる度に連絡を頂けるという話を頂いていますので、わかり次第こちらのページで紹介したいと考えています。
断片的で申し訳ありませんが、今までのわかっている情報は以下のようになります。